2017年05月14日
母の日のおむすび。

昨日、臨終間近の祖母に
母がラップにくるんだおむすびを
持たせたら、祖母が復活。
一同びっくり。
認知症が進んでから
「ごはん、ごはん、めし、めし」
を呪文のように呟く祖母。
食べさせてあげられない分
母が握ってきたラップおむすび。
今朝、いとこが新しい
おむすびを握ってきてくれた。
ベッドに横たわる祖母の右手に
そのおむすびを持たせている。

枕元には、叔母からの
カーネーション。

私は直接初女さんに
お会いできて
初女さんからおむすびの
作り方を教わったことがある。
昨日今日と初女さんのことを
思い出している。
『人はいくつになっても成長します。人生とは気づきによって、こころを切り開いていくことそのものです』
『一食一食に心を込めてつくる喜び、その味わいは、女性として母としての私たちに与えられた恵みではないでしょうか』
初女さんの言葉。
おむすびには、
不思議な力がある
って身をもって感じた日。
2017年05月12日
魔法便。

お茶を沸かして
祖母のところへ。
自分の分と祖母の分。
湯呑みにお茶をそそぐ。
祖母の分は、ガーゼに含ませて
病室で顔を拭いてあげる。

昨日は、二人きりで
話がたくさんできて
着ていきたい服の色、
持ち物について。
うなずいたり、首を振ったり
時折、喋ってくれたり。
最後き聞き取れたのは、
「ありがとう、うれしい」
だった。
寂しくない?と聞いたら
首を振って
寂しくないと言っていた。
私が寂しい
って、言えなかったけれど
とてもいい時間を過ごさせて
貰った。
私も、ありがとう、うれしい
って言えるような
人生にしていきたいな。

昨日夜中に
封筒の整理をしていたら
紙切れが出てきて
開いてみたら
祖母から昔貰った手紙。
まるで今届いたかのようで
大号泣。
昨日、満月だったからかな。
本当に魔法便。
お茶を沸かしたから
これから祖母に会いに。
Posted by 風の実 at
09:11
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2017年05月10日
あなたのために。

玄関先のさくらんぼ。
色付いて、鮮やかに。
4月末でお世話になった職場を
退職させてもらい、私の生活にも
色彩が巡り始めている。
退職が決まった同時期に
祖母の容態が終末に近づく。
絶食、絶飲が続いており
20数キロになった身体から
排出しきれない水が皮膚から
漏れている。
唇がかさついていて
湿らせたガーゼで
拭いてあげたら
「美味しい~ありがとう」
と言った。
認知症の症状が出てから
「ごはん、ごはん、めし、めし」
を念仏のように唱える祖母。
もう何も食べさせてあげられない。
だから、せめて。

辰巳芳子さんの命のスープ。

梅干しは、8年前に
私が初めて作った作品。
古ければ古いほど
身体に負担がないそう。
その話を聞いてから
小瓶にその年々の作品を
少しずつとっている。


水を汲みに。
口に含むと
優しく
さらっとしていた。


小麦色がベストなのに
きつね色に。。
米の花もうまく咲かせられなかった。


朝から作り始め
終ったのが面会時間ぎりぎり。

祖母に届ける。
病室に入ると
奇声を発していた祖母。
ガーゼに玄米スープを含ませ
顔を拭いてあげたら
一瞬で黙った。
「ありがとう、うれしい」
と祖母が言う。
ただ私は祖母の顔を
スープで拭いてあげる。
静かな時間が流れ
「すみませんね」と祖母。
「だって、ばぁちゃんいっぱい御飯作ってくれたよね。だから、いいんだよ。」と伝えたら
静かに首肯いて
「ありがとう、うれしい」
と言っていた。
私が嬉しかった。
上手に出来なかったけれど
魔法が効いたかもしれない。
伝わったかもしれない。
Posted by 風の実 at
06:51
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